スーパーベスト 大石まどか

大石まどか スーパーベスト 大石まどか歌詞
1.露地しぐれ

作詞:土田有紀
作曲:弦哲也

忘れなくては いけない人を
送る蛇の目に 涙雨
小さな愛で いゝからと
今日まで今日まで 来たものを
夢が夢が 夢が泣いてる 露地しぐれ

思い切れない 未練がつのる
恋はまぼろし 風の中
あなたにはぐれ ないように
小走りぐせさえ まだ残る
夢の夢の 夢のしずくか 露地しぐれ

花は散るから いとしさ沁みる
人も別れが あればこそ
運命(さだめ)に耐えて 明日(あす)をみて
今日から今日から 生きるのよ
夢を夢を 夢を下さい 露地しぐれ


2.忍び里

作詞:土田有紀
作曲:弦哲也

奪って下さい 好きならば
逢えば冬でも 蝶になる
肩で息して 雪の中
日暮れ嵯峨野路 忍び里
ニの字みだれる ニの字みだれる
下駄のあと…

ほんのりうすべに 手鏡の
女みじかい 春を知る
明日がなくても 悔いはない
待てば焦がれる 忍び里
外は静かな 外は静かな
ぼたん雪…

信じるだけの 恋だけど
夜に抱かれて 華になり
朝の吐息に 散り急ぐ
帰る裏木戸 忍び里
夢の名残りか 夢の名残りか
今朝の雪…


3.冬のれん

作詞:仁井谷俊也
作曲:幸斉たけし

真面目に生きれば しんどいこの世
女のわたしも わかります
熱燗一本 つけますか-
せめて今夜は お酒に酔って
苦労の荷物は忘れてよ
外はみぞれの… 外はみぞれの…
冬のれん

男が手酌で しんみり飲めば
心がなおさら 沈みこむ
わたしに一杯 注がせてよ-
聞けばおんなじ 北国育ち
初めてみたいな 気がしない
港はずれの… 港はずれの…
冬のれん

凍(しば)れた夜更けは お客も来ない
硝子戸ひゅるひゅる 鳴るばかり
今夜はゆっくり して行って-
郷里(くに)のはなしに ほころぶ笑顔
夢ならそのうち 叶うわよ
春は間近の… 春は間近の…
冬のれん


4.情なし海峡

作詞:土田有紀
作曲:弦哲也

雨の桟ばし 消えゆく背中
はだしで駆けだし 呼びとめて
泣いてすがれば よかったかしら
爪の先まで 燃えてるものを
ああ船は出て行く 情なし海峡

カモメお前の つばさが欲しい
あの船おいかけ 飛んで行く
他のどなたの やさしさよりも
惚れたおとこの 無理さえいとし
ああ呼んで届かぬ 情なし海峡

夜の静寂(しじま)に 波音だけが
逢いたいにくいと せめぎ合う
たとえさだめに 負けても私
きっと死ぬまで あなたの女
ああ未練ひきずる 情なし海峡


5.深い川

作詞:土田有紀
作曲:弦哲也

ひとりでは ひとりでは
生きて行けない 死ねもせず
追えば溺れる 木の葉舟
情に棹さし 流されて
浮かぶ瀬もない 深い川

髪をなで 髪をなで
俺を捨てろと 詫びたひと
岸の柳が 身をもんで
未練ごころに からみつく
夢も住めない 深い川

明日から 明日から
あなた他人に なれますか
けじめすんでる はずなのに
おんな命は くるおしく
渡りきれない 深い川


6.なでしこ舞華


7.与謝野晶子「みだれ髪」他詩集::熱き血汐


8.紅いろ椿

作詞:土田有紀
作曲:弦哲也

蝶の亡きがら 憂しく包み
雨にふるえる 紅いろ椿
生きる別れる どちらもつらい
おんな何なく 恋に泣く
伊豆の坂みち ひとり旅…

息をひそめて 抱かれて燃えて
固く結んだ 手猫きの帯は
あなた無ければ 崩れてしまう
旅に捨てたい 恋なのに
嘘に逢いたい すがりたい…

しのび泣くよな せゝらぎの宿
凛と咲いてる 紅いろ椿
きしむ鞐(コハゼ)の 足袋はきかえて
障子あければ 雨上り
ぬれて色増す 天城やま…


9.忘れ蛍


10.うちの人

作詞:仁井谷俊也
作曲:弦哲也

極楽とんぼと 世間は云うが
惚れて一緒に なったひと
世渡り下手な男(ひと)やから
出世にゃ縁は 遠いけど
うちの人… うちの人…
あせらずぼちぼち 行きまひょか
あんたにゃ私(あたし)が ついてます

ひとつの苦労を ふたりで分ける
それが女房と いうもんや
苦しい時は この笑顔
背中を押すわ ささえます
うちの人… うちの人…
はんぶん子供で 甘えん坊
あんたにゃ私が ついてます

人情浪花の 八百八橋
今日もしあわせ 遠まわり
通天閣に 負けんよな
大きな夢を 咲かせてや
うちの人… うちの人…
あんじょう気張って 行きまひょか
あんたにゃ私が ついてます


11.春待ち花

作詞:土田有紀
作曲:弦哲也

冬が過ぎれば 春は来る
早く来い来い 春よ来い
苦労の涙よ 春待ち花と咲け
喧嘩するのも 好きだから許されゆるし
あなただけお前だけ 二人信じて春を待つ
花よ咲け花よ咲け 明日はきっと咲け

雪の重さも 冷たさも
あなた居たから 耐えられた
かわいた都会(まち)にも 春待ち花は咲く
スミレタンポポ 踏まれても頑張る命
あなただけお前だけ 二人信じて春を待つ
花よ咲け花よ咲け 明日はきっと咲け

支え合うのが 人ならば
かばい合うのが 夫婦です
つらさを越えれば 春待ち花の夢
照る日曇る日 いつまでも離しはしない
あなただけお前だけ 二人信じて春を待つ
花よ咲け花よ咲け 明日はきっと咲け


12.朝霧情話

作詞:土田有紀
作曲:弦哲也

朝霧は こらえ切れない 女の吐息
昨夜(ゆうべ)の名残りか 燗(かん)ざまし
何も言わずに 目で詫びて
背中で別れ 告げるひと あゝ
せゝらぎの すゝり泣くよな 風の宿

窓を打つ みぞれ凍(し)ばれて 小雪にかわり
あなたを包んで どこへゆく
障子ほそめに 耳を寄せ
消えゆく靴の 音に泣く あゝ
むらさきの 恋は幻 風の宿

人なみの 明日(あす)を下さい こぼれた花に
ひとりが淋しい しのび酒
箸の袋が 鶴になる
一生ぶんを 愛されて あゝ
しめ直す 帯をきりゝと 風の宿